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ぴぃちく村の外れにある古びた石版。
そこにはこう書かれています。
―ぴぃちくむら はっしょうでん― むかしむかし、このばしょはなにもない、まっしろのばしょでした。 そしてあるひ、ひとりのたびびとがこのばしょをおとずれました。 そのひとこそ そんちょうでした。 そんちょうはまっしろのせかいに じぶんのあかいちで おおきく『ふで』とかきました。 すると、まっしろのせかいに ふでがあらわれました。 そんちょうはふでをとりました。 そして、このむらにひつようなもの―ひとや、きや、みずをかいていきました。 そんちょうのふではとまりません。 まだまだ、むらはえがかれていきます。 そしてそんちょうに えがかれて ここにうまれたひとも じぶんのなかのほんに いつまでも ものがたりをかきつづりました。 このむらは、じぶんたちのなかにある ほんに ものがたりをかくことでそんざいするのです。 こうしてこのむらはまっしろではなくなったのでした。
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